臨床生理検査と技術 Ⅶ 呼吸機能検査
[3]呼吸機能検査法と判定基準
[D]最大換気量
藤 美智子
1
1杏林大学医学部附属病院中央検査部
pp.620
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204123
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最大換気量とは,1分間に肺に出入りするガスの最大量である.被検者に対して肺活量の1/2〜1/3程度の1回換気量を基準に,12秒間(または15秒間)に15〜20回程度の可能な限り深く速い呼吸を行わせる.この際,検者はかけ声をかけるとよい.すなわち,呼吸に対して最大の努力を引き出すことがたいせつである.閉塞性障害があるときは,換気量を維持し,呼吸数を減らさざるをえない.特にエアー・トラッピングのある場合,呼吸数を多くすると基準位が上昇し,最大換気量が安静換気量より少なくなることがある.この検査は,測定値の偏差が大きいので1回測定した後,健常者で1〜2分間,閉塞性障害のある患者は,少なくとも5分間程度休ませて,もう一度検査をするのが善策である.そのとき得られた値は大きい値のほうが信頼できる.
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