臨時増刊特集 診断基準とその使い方
VI.神経・筋疾患
Guillain-Barré症候群
濱口 勝彦
1
1埼玉医大神経内科
pp.1994-1996
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207575
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はじめに
Guillain-Barré症候群(以下GBSと略す)は,1916年,Guillain,BarréとStrohlが報告した2例の根神経炎に類似の臨床症状を呈するものにつき,DraganescuとClaudian(1927)が初めて命名した症候群である.その後Landryの上行性麻痺とも同一範疇に属するものとしてLandry-Guillain-Barré症候群とも呼ばれる(HaymakerおよびKernohan,1949).しかし,本症候群の概念や臨床的特徴あるいは診断基準について諸家の間に必ずしも意見の一致をみず,若干の混乱がみられる.これらの混乱を解決するために,Osler(1960)が原著に比較的忠実な診断基準を提唱したが,その後もなお統一見解は得られず,Marshall(1963),Poser(1963),Wiederholt(1964),McFarland(1966),Sigwald(1970),Masucci(1971)らがそれぞれの立場から診断基準につき考案している.このような状況下にあることを念頭において,診断基準について述べる.
現在,GBSは原因不明の多発性根神経炎のうち,特徴的な発病様式,臨床症状,髄液所見および経過を呈するものと考えられる.
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