今月の主題 神経内科の動き
見逃しやすい神経病
脳腫瘍
堀江 武
1
,
牧野 博安
1
1千葉大脳神経外科
pp.1388-1389
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205643
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脳腫瘍は悪性新生物のなかでそれほど稀なものでなく,人口10万に対して約9例の発生頻度を有して,年齢・性別等によりある一定の傾向を認める.すなわち,小脳血管腫や神経鞘腫等は家族発生の傾向を有し,髄芽腫,松果体腫瘍は男児に多く見られ,小児の脳腫瘍の2/3は天幕下に発生し悪性度は高い.このうち,15〜20%は脳幹に発生する.成人の場合は2/3が天幕上に好発し,天幕下では脳実質外の腫瘍(聴神経腫で代表される小脳橋角腫瘍)が多い.
脳腫瘍の診断に関して,現在では高度な補助診断法が種々行なわれているが,打腱器と眼底鏡を用いた日常診療においてどのような点に注意しているか略述したい.
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