特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
IX 血液・造血臓器
4.線溶亢進の対策
抗プラスミン剤の使い方—治療ならびに予防的使用法
長谷川 淳
1
1北大第1内科
pp.1912-1914
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205162
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血液凝固系と線溶系は健康な生体内で互いに平衡状態を保ち,前者は溶解しているフィブリノーゲンが不溶性の高度に重合した網状のフィブリンに変化する系であり,後者は止血や創傷治癒のため形成されたフィブリンがその生理的機能の満たされた場合に蛋白分解酵素であるプラスミンによって不溶性のフィブリンが分解される系である.その両系のうち,凝固系が優位になると血栓形成,線溶系が優位になると出血傾向の出現をみるようになるが,抗プラスミン剤は線溶系に対する阻害剤として開発され,線溶系の機能亢進が生体防御機構を逸脱して生体にとって不利益とみなされる際に使用の適応となる.
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