今月の主題 内科最近の話題
神経・筋疾患
進行性筋ジストロフィー症—筋原性か神経原性か
木下 真男
1
1東邦大・第2内科
pp.460-461
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204691
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「筋原性」の定義について
本文の副題のような議論をはじめるには,まず「筋原性」の定義にふれなければならない.現在この言葉はおよそ3つの意味に用いられているようである.1)筋自体に原因があるという意味,2)「神経原性」に対応する意味で,運動神経に原因があって生じた変化を除く筋の病変すべてを指す,3)骨格筋に由来するという意味.
これらのうち1)と2)はしばしば混同され,混乱を招きやすい.筆者は前から2)の意味にこの言葉を用いることに反対で,この意味ではミオパチー,あるいはミオパチー性(myopathic)で充分であろうと考えている.従って本文の表題をより正確に書き改めれば,「進行性筋ジストロフィー症(ミオパチー性変化か,神経原性変化か.ミオパチーとすれば一次性か,二次性か)」とでもなろうか.
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