内科専門医のための診断学・15
出血性素因—特に血液凝固異常
松岡 松三
1
1新大第1内科
pp.309-314
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203538
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止血機構には血液が血管外に出ないようにしておく機能と,血管が破綻をきたしたときにこれを止める機能の2つがある.この機能はともに血管の機能,血小板の機能,血液凝固,線維素溶解の4つの機能が血管を中心にしてダイナミックなバランスを保ってうまく統括されて営まれている.これをvascular integrityという.そしてこのvascular integrityの破綻をきたしたときに出血するのである.したがって出血性素因の診断にあたっては,障害が主として先の4つの機能のいずれにあるかを確かめるために種々の検査を行なう必要があるが,それとともに行なう検査の臨床上の意義をよく理解しておくことがぜひ必要である.そこでここには凝固異常による出血性素因の診断に重点をおいて,まずいかなる順序で検査を行なって診断を進めていくべきかを述べ,つぎにこの中に出てくる検査の臨床上の意義について述べてみたい.
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