日常検査のすすめかた
黄疸と臨床検査
只野 寿太郎
1
,
林 康之
1
1順大臨床病理
pp.64-65
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203470
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日常診療でしばしば遭遇する黄疸は,血液中に増加したビリルビンが結合組織に沈着し,皮膚・粘膜が黄染する病的状態と定義できる.しかし皮膚の黄染はCarotenoidを大量に含有する食品の摂取後にも見られるので,まずビリルビンによるものかどうかを鑑別することも必要である.
血清ビリルビンの増加は1)溶血による過剰産生2)肝細胞での間接ビリルビンの摂取障害3)肝細胞での間接ビリルビンの抱合障害4)肝細胞からの直接ビリルビンの分泌・排泄障害5)肝細胞障害や胆管・胆道系の閉塞による胆汁うっ滞の5種類に大別される.臨床的には内科的黄疸または外科的黄疸に,あるいは間接型の増加する溶血性黄疸,主として直接型の増加する閉塞性黄疸,間接・直接ともに増加する混合型の黄疸と3群に分けることもできる.
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