日本人の病気
結核
青木 正和
1
1結核予防会結核研究所
pp.62-63
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203469
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結核減少の傾向
結核死亡率は昭和43年には10万対16.8となった.最も高かった大正8年の240.9と比較すると,実に14分の1以下で,結核死亡率の減少はきわめて順調といえるだろう.
患者数でみても同様である.厚生省1)2)は昭和28年から5年ごとに全国の結核実態調査を行なっているが,この調査は,全国の1300分の1ないし1700分の1の比率で無作為抽出した地域の全住民について,胸部X線写真の直接撮影,ツベルクリン反応,問診を行ない,中央に委員会を設けて判定,解析を行なっており,その結果はこの種の調査としてはきわめて信頼度の高いものである.これによると表にみるように,全結核要指導患者(要医療+要観察)の全国推定数は,28年の553万人から43年の262万人へと順調に減少しており,要医療患者数も292万人から153万人へと,半減したことを示している.
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