臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
IX.運動器系疾患の診断技術
2.酵素診断
木下 真男
1
1東邦大第2内科
pp.790-791
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203155
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筋疾患のさいに血清中の酵素活性が上昇することは1949年にアルドラーゼ活性の増加が認められたのが最初で,以後トランスアミナーゼ(GOT,GPT),乳酸脱水素酵素(LDH),クレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)なども同様の傾向を示すことが発見された.なかでもCPKは特に筋疾患において敏感な上昇を示すことが知られており,全身のCPKの96%が筋中に存在しているため他の酵素に比して組織特異性が高い.筋疾患のさいになぜ血清CPKが上昇するかは確定した説明はないが,筋線維の膜の透過性の異常によって濾出するか,筋線維の破壊によって放出されるかのいずれかであろう.
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