特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
6.虚血性心臓病の診かた
心筋硬塞の酵素診断
新谷 博一
1
1昭和大第3内科
pp.886-889
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204142
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どんな酵素が使われるか
1954年La Due,Wröblewski,Karmenらが急性心筋硬塞における血清glutamic oxalacetic trans-aminase(SGOT)の上昇を報告して以来,心筋硬塞の臨床診断上血清酵素測定の有用性が認められ,広く行なわれるようになった.SGOTはその活性値の上昇が一過性で,臓器特異性が少ない欠点があり,同時に使われるようになったglutamicpyruvic transaminase(GPT)のほか,lactic dehydrogenase(LHD),malic dehydrogenase(MDH),succinic dehydrogenase(SDH),aldolase(ALD),phosphohexose isomerase(PI),glucose-6-phosphatedehydrogenase(G 6 PD),choline esterase(ChE),oxidase,creatine phosphokinase(CPK),α-hydoxy-butyrate dehydrogenase(HBD),さらにLDHのアイソザイム,とくにLD1およびLD2など多くの酵素が急性心筋硬塞のさいにその血清活性値の上昇または低下(ChEのみ)することが報告されている.しかしその特徴,測定上の技術的問題などから現在比較的広く日常臨床上使用されるようになったのは,トランスアミナーゼのほかはLDH,HBDなどである.
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