診断のポイント
心筋硬塞の酵素診断
新谷 博一
1
1昭和大第三内科
pp.1280-1282
発行日 1967年9月10日
Published Date 1967/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201908
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
どんな酵素が使われるか
1954年La Due,Wroblewski,Karmenらが急性心筋硬塞における血清glutamicoxalacetic transaminase(SGOT)の上昇を報告して以来,心筋硬塞の臨床診断上血清酵素測定の有用性が認められ,広く行なわれるようになつた。SGOTはその活性値の上昇が一過性で,臓器特異性が少ない欠点があり,同時に使われるようになつたglutamic pyruvic transaminase(GPT)のほか,lactic dehydrogenase(LDH),malic dehydrgenase(MDH),succinic dehydrogenase(SDH),aldolase(ALD),phosphohexose isomerase(PI),glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD),cholineesterase(ChE),oxidase,creatine phosphokinase(CPK),α-hydroxybutyrate dehydrogenase(HBD),さらにLDHのアイソザイム,とくにLD5など多くの酵素が急性心筋硬塞のさいにその血清活性値の上昇または低下(ChEのみ)することが報告されている。しかしその特徴,測定上の技術的問題などから現在比較的広く日常臨床上使用されるようになつたのは,トランスアミナーゼのほかはLDH,HBDである。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.