新春特集 I Leading Article '70
3 病理と臨床—臨床経験つみかさねへの土台石
患者のための臨床医—病理医からみた最高の臨床像
金子 仁
1,2
1国立東京第1病院病理
2日本医大
pp.14-16
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202922
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‘臨床像’というイメージ
まず‘臨床像’というイメージが問題である.臨床医と臨床医学を総合したものが臨床像のはずである.日常,外科的に切除した患者の病的部分を病理学的に診断し,さらに臨床医に治療のサジェスチョンを行なわねばならぬ病理医,病理解剖(剖検)によって臨床診断を是正し,病気の本態を確かめ,その知識をもととして,生きている患者の診断向上をめざさねばならぬ病理医(金子仁:臨床のための病理学とは,medicina, 6, 3. 参照),その病理医は臨床医学をどうみているのであろうか.
臨床医学も,けっきょくは臨床医の姿勢の現われであり,患者の苦悩に対する返答であるから,臨床医,患者を度外視しては存在しない.
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