シネマ解題 映画は楽しい考える糧[73]
「最高の人生の見つけ方」
浅井 篤
1
1熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.637
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102923
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「こんな死に方,できたらいいな」
満足して逝く大往生人生を観る
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの二大名優による老人男性版『死ぬまでにしたい10のこと』(イザベラ・コヘット監督,2002年).癌に罹患した二人の男性がたまたま同室になりました.エドワードはその病院のオーナーで大富豪の白人,カーターは黒人自動車整備工.エドワードは開胸術+化学療法を,カーターは実験的な抗癌剤治療を何種類か受けますが,共に効果はなく,結局余命半年から一年という状態になります.二人はすでに何度かの化学療法治療の副作用で散々な目にあっていたので,それ以上の治療はやめて,今までしたくてもできなかったことを人生最後に実行することにしました.
何せエドワードは超のつく大金持ち,不可能なことは何もありません.二人は「棺桶リスト」と命名したリストに死ぬまでにしたいことを書き留め,ひとつずつ実行していきます.スカイダイビング,憧れのスポーツカーをレース場で飛ばす,ピラミッドに登る,エベレスト登山挑戦など,エドワードの自家用ジェットで世界を飛び回ります.しかし,エドワードには喧嘩別れしたままの娘がおり,カーターには待っている家族がいます.いつか帰らなくてはなりません.その後様々なことが起きますが,二人は「棺桶リスト」すべてを実行して,人生の幕を閉じるのでした.
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