治療のポイント
トランキライザーの副作用
西園 昌久
1
1九大精神科
pp.886-887
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202759
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トランキライザーの意味と作用
精神的不安,焦燥など情動緊張を弛緩させる作用は,従来,催眠剤によって得られていた.実際に現在の向精神薬が現われてくるまでは神経症的不安に対して少量の催眠剤がひろく使われていた.しかし,意識の水準や精神作業能力の低下をきたすことなしに,情動緊張に選択的に作用する薬物があらわれたのがトランキライザーである.トランキライザーには主として神経症に効果のあるマイナー・トランキライザーと精神病に効果のあるメジャー・トランキライザーとに分けられる.おもしろいことに,精神病症状に利くメジャー・トランキライザーを少量使うと神経症症状にも効果がある.
向精神薬の分類や名称は細かくいうといろいろの議論があるが,一般にはトランキライザーとはマイナー・トランキライザーのことをさすし,本誌の読者も神経症を対象とされて,向精神薬の使用を考えられる場合がほとんどと思われるので,マイナー・トランキライザーを中心に述べたい.
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