臨床家の薬理学
Ⅱ.精神安定剤(トランキライザー)
今井 昭一
1
1新大薬理学
pp.199-200
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203996
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催眠作用を来たさぬ量で不安を鎮め,行動の異常を是正する薬は従来精神安定薬ないし静穏薬(トランキライザー)と呼ばれて来たが,その中,強力トランキライザー(Major tranquilyzer)と呼ばれるフェノチアジンやローヴォルフィアアルカロイドには強力な抗精神病作用があるので,最近は抗精神病薬(antipsychotic drugs)と呼ぶことも多い.これに対し筋弛緩薬,抗ヒスタミン剤に属する薬物のあるものは精神病を癒やす力はないが,不安を鎮ある作用をもち,緩和トランキライザー(minor tranquilyzer),または抗不安薬(antianxietydrugs)と呼ばれる.最近は単にトランキライザーというとこの群のみを指し,両者を含める意味では精神抑制薬(Psycholeptics)なる語を用いることもある.
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