ずいひつ
睡眠と夢
時実 利彦
1
1東大脳研生理
pp.76-77
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202069
- 有料閲覧
- 文献概要
手枕や,春眠覚むること勿れ
「デカンショ,デカンショで半年暮らす,あとの半年や寝て暮らす」と歌にはあつても,実際に半年もの長い長い眠りがあつたら大変。反対にまつたく眠らなかつたら,これまた大変なことである。人間は発狂して死んでしまう。断食ストはあるが,断眠ストにはお目にかかれない理由である。
ではいつたい,ぎりぎり何日間眠らないで頑張れるだろうか。N. & R. McWhirterの"TheGuiness Book of Records"(1965)〔武富・井上訳:これが世界一,竹内書店〕によると,フィンランド人がたてた276時間(11日半)が一応公認のレコードになつている。しかし,これには学問的資料は添えてない。学術論文として報告されている不眠め記録は,1963年にアメリカで,17歳の高校生が行なつた264時間の断眠実験である。この実験も,あまり厳重な管理のもとに行なわれていないから,あまり信用できそうもない。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.