治療のポイント
減塩食療法
小林 快三
1
,
加藤 克己
1
1名大内科
pp.983-985
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201843
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浮腫をきたす疾患は日常臨床上数多く認められるが,比較的しばしば遭遇し食事療法を必要とするものは心性,腎性,肝性に分けることができる。浮腫をきたすときその原因の如何にかかわらず一般に全体液量が増加しことに細胞外液量の増加がいちじるしい。これらに共通した事実はNaClと水の蓄積であつて,ここに減塩食療法の必要とされるゆえんがある。また浮腫をきたすNaCl,水の過剰を除くとき,原因となる代謝失調の是正をもたらし,原因療法となりうる可能性をみのがしてはいけない。たとえば軽度の心不全時に最初軽度の利尿をつけることにより心搏出量が増しそのまま利尿が持続し,心不全が解消することはしばしばみられることである。
しかしこれらはもちろん心疾患に強心薬を,ネフローゼに副腎皮質ホルモンの使用などのごとく原因療法の重要性を損なうものではない。
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