薬の反省
糖尿病内服薬
宮尾 定信
1
,
三村 悟郎
1
1熊大・体質研
pp.68-70
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201628
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糖尿病は近年成人病の一つとして注目されてきた疾患であり,本邦の発生頻度は一般人口中0.92%であり,欧米の発生頻度といちじるしい差異はない。WHOの死亡統計からみると,本邦の小児および若年性糖尿病の頻度が,欧米に比して低いことが臨床的な差異である。しかし生活様式が欧米化されつつあるこんにち,将来はその臨床像も彼我の間に差異は少なくなることが予想される。40歳以上の糖尿病の発生頻度は,糖尿病研究班の成績では7.2%と高率を示しており,臨床家として治療の対象となる糖尿病患者の主体は,40歳以上の年齢層であることがわかる。本章において論じる主題は、糖尿病内服薬の反省であり,糖尿病内服薬は主として40歳以上の患者が対象であり,現在多くの薬剤が臨床的に使用されているが,乱用されている傾向もみられる。したがつて内服糖尿病治療剤の適用と使用法についてのわれわれの考えを述べたいと思う。
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