正常値
血清蛋白濃度
阿部 正和
1
1慈恵医大内科
pp.616-617
発行日 1964年7月10日
Published Date 1964/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200385
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正常値を決定することの難かしさ
血液中の化学成分の正常値を設定しておくことは,きわめて重要なことでありながら,従来とかく等閑視されている傾向があつた。それにしても血液の生化学的検査成績は,個人個人の生活条件,その他の因子によつて大きな影響をうけることは当然であるから,各年齢別,あるいは性別による正常範囲の限界は明確にしておくことが絶対必要なことである。
ただ,正常値を設定することには技術的に大きな問題があるから,そう簡単な仕事ではない。大学の学生や看護学院の学生を対象に正常値を決定することが許されれば,これはそんなに困難なことではないが,一定の階層に限局されてしまうという欠点がでてきてしまう。したがつて,まず正常人とは如何なる人たちをいうか,こういつた問題が正常値をめぐる第一の問題であろう。
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