今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常
Kの調節とその異常
血清K濃度異常による症状
寺尾 統彦
1
,
黒田 豊
1
1自治医科大学附属大宮医療センター腎臓科
pp.1877-1879
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902939
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ポイント
●血清K濃度異常による症状に特異的なものは少ないが,その心電図変化は特徴的である.特にK濃度上昇による変化を早期に認識しておくことは,終局的には不可避に発生する心停止を未然に防ぐ意味で重要である.
●各種の不整脈,さまざまなレベルでの伝導障害やペースメーカーのペーシング不全がみられたときには,血清K濃度異常が関与している可能性を念頭に入れておく必要がある.
●ジギタリス製剤服用中や肝不全があるときには,血清K濃度の低下がジギタリス中毒や肝性脳症の発現を促進するので注意を要する.
●精神・神経・筋・消化器症状や多尿がみられたときには,血清K濃度異常,特にその低下が原因ないしは増悪因子である可能性を考慮する.
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