特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VIII.血液化学検査
血清蛋白
阿部 正和
1
1慈恵医大内科
pp.554-555
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205907
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異常値を示す疾患
血清蛋白濃度の異常をきたす疾患を表にまとめた.血清蛋白濃度が8.0g/dl以上のものを高蛋白血症,6.0g/dl以下のものを低蛋白血症という.このような異常値が得られた場合,反射的に何らかの病名に結びつけることなく,まず被検者の血液が濃縮あるいは希釈を起こしていないかどうかを考えるべきである.とくに,ごくわずかな高蛋白血症の場合は下痢,嘔吐,脱水といった場合が最も頻度が高いのである.
高蛋白血症が著しい時は多発性骨髄腫,マクログロブリネミア,また,きわめて稀有ではあるがアミロイドーシスを,中等度の高蛋白血症の場合は,これらの各種疾患以外にサルコイドーシス,自己免疫疾患,結合織疾患などを考える.ごく軽度の高蛋白血症は,前述の血液濃縮をはじめとして,きわめて多数の疾患のさいにみられる.その具体例については表に示した.
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