特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
血液生化学検査
蛋白
血清総蛋白と蛋白分画
山口 晃
1
,
木村 聡
1
1昭和大学横浜市北部病院臨床検査科
pp.114-118
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104708
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
血清中にはおびただしい種類の蛋白が存在する.この総量が総蛋白(total protein:TP)である.今日,何百種という蛋白質の発現を一気に解析する技術は存在するが,迅速さや費用対効果の面で,TPの意義は失われていない.
血清蛋白の最大の供給源は肝臓である.量的に血清蛋白の約6割を占めるアルブミンはじめ,さまざまな蛋白が肝臓で合成される.このため蛋白合成能が低下する肝硬変や,栄養失調でTPは低下する.血清蛋白が尿中に失われるネフローゼ症候群や,消化管から失われる蛋白漏出性胃腸症では,TPは低下する.
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