扉
卒後研修について
石川 進
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1島根医科大学脳神経外科
pp.119-120
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201780
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毎年各教室あるいは診療科が受け入れる若い医師は,教室・診療科の新たな活力源であり,将来の教室・診療科を背負って立つべき人材である.その中から,我が国の脳神経外科の発展に大きく貢献する人達も育ってこよう.これら若い人達の将来に大きな責任をもつ立場にいて,どのような卒後教育,研修方法が最も望ましいのかに頭を痛める.いわゆる関連病院での研修も含め,卒後教育のカリキュラムが確立された大学においても,幾つかの問題があると思う.
脳神経外科学は神経科学の一部門であるが,同時に神経疾患を対象とする外科学の一分野でもある.従って若い医師の研修には一般外科の基礎的な訓練が必要とされ,周知のように諸外国では一定の期間一般外科を学ぶような制度のところが多い.我が国の脳神経外科認定医の中でも,少なくとも昭和30年代前半ないし後半までに大学を卒業された方は,かなりの程度の一般外科の修練を積んでおられる.またそれ以後の卒業者でも,ある程度外科で研修した人は少なくない筈である.このような研修が広く外科系一般に通じる考え方,知識,技術を習得する上に,また自分の視野を大きく広げるために有益であったと考える人はかなりあろうし,反対に自分の全力を脳神経外科一つに注ぐべきであったと思う人もあろう.それは個々の入が経験した外科における研修の期間,程度によっも異なってこよう.
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