今月の主題 新規経口抗凝固薬の光と影
新規経口抗凝固薬の臨床試験とエビデンス
最初の大規模臨床試験SPORTIF
是恒 之宏
1
1国立大阪医療センター臨床研究センター
pp.976-979
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105986
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★SPORTIFは新しい経口抗凝固薬で初めての国際共同試験である.経口抗トロンビン薬ダビガトランは2011年3月に発売されたが,それより10年も前に行われた,この領域では試金石ともなるべき試験である.
★ワルファリンを対照とした無作為割付オープン試験で,日本も200例あまりの症例を組み入れた(SPORTIF Ⅲ試験).日本における症例組入は,ほぼ予定通りに進んだ.一方,米国では無作為割付二重盲検試験が行われた(SPORTIF Ⅴ試験).
★主要評価項目ではワルファリンとの非劣性が示された.また大出血,頭蓋内出血も有意差を認めなかった.
★残念ながら,肝機能障害がワルファリンより有意に高く承認には至らなかったが,日本におけるこの領域の国際共同試験参加の大きなきっかけとなった.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.