正常値
PSP試験
古川俊之
1
1阪大内科
pp.60-61
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201140
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PSP試験の精度をめぐって
PSP排泄試験は腎機能検査のうち,もつとも実施容易で臨床的に広く応用されている。しかし方法があまりに簡便なためにかえつてその成績が粗雑で誤差の多いもののように考えられる傾向が少なくないが,測定やそれに伴う操作が簡単でステップ数が少ないほど誤差混入の機会は少ないのであり,単なる推量でこのような結論を下すのは妥当でない。この種の誤解の一因と思われるものは,この検査の桁数が2桁であるのに対し腎血行動態やその他のクリアランス値では計算上幾桁でも数値が得られることであろう。今日ではこれらの検査が腎機能の指標として有する精度はほとんど同じで有効数字桁数も2桁程度であろうということが理論的にも推定されているから,単に無意味な桁数の多寡で差別があると考えるのはナンセンスである。第3にPSP試験の数値から正常,異常が鑑別し難いことが挙げられる。これには数値であらわされる機能検査というものの宿命とでもいうべき問題がひそんでいるのであるがこれは後に考察を加える。
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