増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
機能検査とDNA診断
機能検査
PSP排泄試験
若林 良則
1
,
山田 研一
2
1国立佐倉病院内科
2国立佐倉病院臨床研究部
pp.790-791
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910021
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検査の目的・意義
Phenolsulfonphthalein(PSP)は,体内で代謝されずにほとんど腎のみから速やかに排泄され,かつアルカリ添加により簡単に発色定量できる.PSPを負荷して尿中への排泄量を測定することにより腎機能をみるのがPSP排泄試験である.
静注されたPSPは,20%が遊離の状態で存在し,そのうちの20%(全体の4%)が糸球体で濾過される.残りの96%は近位尿細管からほほ選択的に能動分泌され,尿細管のその他の部位では分泌も再吸収もされない.したがって,原理的には本試験によって近位尿細管の排泄能力を判定し得るが,試験時のPSPの血中濃度(約0.2mg/dl)は近位尿細管における分泌極量(35〜40mg/dl)よりかなり低いため,PSPの排泄量は近位尿細管機能よりも腎血漿流量(RPF)を反映する.
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