連載 医事法の扉 内科編・4
転送(転医紹介)義務
福永 篤志
1
,
松川 英彦
2
,
稲葉 一人
3
1国家公務員共済組合連合会 立川病院脳神経外科
2国家公務員共済組合連合会 立川病院内科
3中京大学法科大学院
pp.694-695
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105139
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自分が診察した患者が精査の結果,自分の専門外,あるいは自己の施設では行えない専門的検査・治療を必要とする場合には,原則として,その患者を速やかに他の専門外来,他の施設に転送(転医紹介)しなければなりません.法律上,明文規定はなく,保険医療機関及び保険医療養担当規則第16条の規定はありますが,善管注意義務(民法644条)の1つと考えられています.われわれ医師には応召義務(医師法19条1項)がありますし,患者も治療してもらえるだろうと考えてとりあえず受診することもありますので,転送する機会は比較的多いと思われます.
紛争化しやすい状況として,しばらく自己の外来で診療を継続していたところ,病状が変化し,他の専門外来への受診が必要となったような場面があります.自分ひとりで患者をみていると,なかなか病変の緊急性・重大性に気づきにくいこともあるので,注意が必要です.
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