今月の主題 糖尿病診療Update―いま何が変わりつつあるのか
2型糖尿病の基礎知識
病態―いまどこまで解明されたか
藤坂 志帆
1
,
浦風 雅春
1
,
戸辺 一之
1
1富山大学医学部第一内科
pp.1892-1897
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104881
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ポイント
★2型糖尿病は,遺伝因子と環境因子を基盤として,インスリン標的細胞でのインスリン抵抗性と膵β細胞からのインスリン分泌不全の病態が種々の程度で関与して発症する.
★2型糖尿病の増加は,生活習慣の欧米化による過食・脂肪摂取増加と活動量の低下,肥満(内臓脂肪の蓄積)などが大きく関与している.
★内臓脂肪細胞が肥大化すると,アディポネクチンの合成・分泌低下や,レジスチン・TNFαや遊離脂肪酸の分泌亢進,マクロファージのリクルートメントによる炎症性サイトカイン(MCP-1など)の分泌増加をきたし,その結果,インスリン抵抗性が増大し,2型糖尿病が発症する.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.