今月の主題 肝炎への新しいアプローチ
肝炎理解のために
肝炎ウイルスはどこまで解明されたか
三田村 圭二
1
1東京大学医科学研究所・感染症研究部
pp.769-771
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221653
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肝炎ウイルスのうち,A型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルスが分離同定され,予防の段階に入っている.しかし,なお,解明されなければならない点も多い.B型肝炎ウイルスをヘルパーウイルスとするデルタ肝炎ウイルスも核酸の塩基配列の解明までなされてきている.非A非B型肝炎ウイルスのうち,幸いにしてわが国には現在までのところ存在していない,経口感染で伝播する肝炎ウイルスは,その分離もなされつつある.残された最大の難物である主として血液を介して伝播する非A非B型肝炎ウイルスはなおその姿を現してはこない.しかし,やがてはその分離,同定が多くの人々の努力によりなされるであろう.
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