今月の主題 自己免疫性肝疾患のNew Wave
明日の自己免疫性肝疾患
発症機序はどこまで解明されたか
橋本 直明
1
,
潘 活寛
2
,
田中 篤
2
1東京逓信病院消化器科
2東京大学医学部第1内科
pp.122-125
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906645
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ポイント
●自己免疫性肝炎(AIH)では肝障害の機序としてADCCが提唱され,抗アシアロ糖蛋白受容体抗体,肝腎ミクロソーム抗体1,抗スルファチド抗体,抗類洞内皮細胞抗体,抗熱ショック蛋白抗体など,特徴ある自己抗体がpathogenesisとの関連で研究途上にある.
●T細胞レセプターの検討により,肝浸潤T細胞はoligo-clonalであることがわかった.
●pathogenesisにおけるT細胞の役割の解明が今後の課題である.
●免疫遺伝学的背景として,わが国のAIHではHLA-DR4陽性者が90%を占める.
●原発性胆汁性肝硬変では,抗ミトコンドリア抗体の標的抗原としてピルビン酸脱水素酵素などが同定され,PBCのpathogenesisにおける役割の解明が進められている.
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