今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の疫学と機序
サイレントB型肝炎のウイルスと病像はどこまで解明されたか
内田 俊和
1
1日本大学医学部第1病理
pp.424-425
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904980
- 有料閲覧
- 文献概要
ポイント
●日本の非A非B非C非D非E型ウイルス肝炎は急性肝炎の約25%,慢性肝炎の3〜5%を占める.
●日本の非A非B非C非D非E型肝炎の大半(約80%)は血清マーカー陰性のサイレントB型肝炎である.
●B型肝炎でありながらB型ウイルスの血清マーカーが陰性なのは,ウイルスのX遺伝子に変異があるためである.
●このX遺伝子の変異のため,ウイルスの複製と発現が抑制され,マーカーが陽性にならないのであろう.
●サイレントB型肝炎の新たな測定系を開発中である.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.