血栓症診療update-新規経口抗凝固薬を加えて広がる世界
血栓性疾患の発症メカニズムはどこまで解明されたか?
浅田 祐士郎
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1宮崎大学 医学部病理学講座構造機能病態学分野
キーワード:
血栓症
,
静脈血栓症
,
動脈硬化プラーク
Keyword:
Thrombosis
,
Venous Thrombosis
,
Plaque, Atherosclerotic
pp.5-10
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012271429
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・血栓は血小板と凝固系の相互作用により形成される。・動脈の血栓形成は血小板が、静脈では凝固系が主役を演じるが、血管壁や血液成分の性状、血流の状態などにより両者の関与の度合いは異なる。・動脈血栓の多くは、動脈硬化巣性プラークの破綻部に形成される。・プラーク破綻部では、血小板の粘着・凝集が初期の反応となるが、プラーク内で凝固系が亢進しており、血小板とフィブリンからなる白色血栓が形成される。・静脈は血流が緩徐で、凝固反応が進みやすい。・静脈血栓ではフィブリンと赤血球に富んだ赤色血栓が形成されるが、血栓内には多数の血小板も存在する。
©Nankodo Co., Ltd., 2012