今月の主題 内科医のためのクリニカル・パール―診療のキーポイントと心にのこる症例
腎臓・酸塩基平衡・水電解質
酸塩基平衡・水電解質・輸液のキーポイント
藤田 芳郎
1
1トヨタ記念病院腎・膠原病内科
pp.1500-1502
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104065
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■血清Na濃度は細胞内液量を示すのであって,細胞外液量を示すのではない
高ナトリウム(Na)血症は細胞内脱水を示し,低Na血症は細胞浮腫を示す,と考えてよい.急性低Na血症(48時間以内にきたしたもので,意識障害などの中枢神経症状のあるもの)では,特に頭蓋骨というほぼ閉じた空間に存在する脳細胞が細胞浮腫をきたし脳ヘルニアの危険を生じるため,速やかに治療を開始すること(初めの数時間は早く,あとはゆっくり)が必要である.慢性低Na血症では,意識障害や頭痛などの中枢神経症状がなければ,急速に治療してはいけない(具体的詳細は文献1参照).
細胞外液量の評価は医師として訓練を要するものである(文献2参照).
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