特集 輸液療法の基礎と実践
水・電解質・酸塩基平衡異常とその補正 酸塩基平衡障害とその補正
安田 隆
1
1吉祥寺あさひ病院 腎臓内科
キーワード:
アシドーシス-乳酸
,
アシドーシス-呼吸性
,
アルカローシス-呼吸性
,
Insulin
,
糖尿病性ケトアシドーシス
,
Potassium
,
血液ガス分析
,
血液透析
,
酸塩基平衡異常
,
静脈
,
輸液療法
,
Sodium Bicarbonate
,
体液移動
,
腎機能障害
,
薬物投与量算出
,
アシドーシス-代謝性
,
アルカローシス-代謝性
Keyword:
Blood Gas Analysis
,
Veins
,
Renal Dialysis
,
Insulin
,
Fluid Shifts
,
Diabetic Ketoacidosis
,
Sodium Bicarbonate
,
Potassium
,
Acidosis, Respiratory
,
Acid-Base Imbalance
,
Acidosis
,
Acidosis, Lactic
,
Alkalosis, Respiratory
,
Drug Dosage Calculations
,
Renal Insufficiency
pp.309-315
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021161502
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<Headline>1 酸塩基平衡異常に早期に対応するには生じやすい状況を念頭におき、血液ガス検査を積極的に行うことが重要である。循環障害がみられない状態では、静脈血を用いても動脈血血液ガス分析結果を類推できる。2 乳酸アシドーシスでは循環動態と呼吸状態の改善を目指し、十分な心拍出量、PO2、Hb濃度の維持に努める。重篤な酸血症では炭酸水素Naの使用が検討される。3 糖尿病性ケトアシドーシスの治療では、低カリウム血症の発症に注意するとともに、脳浮腫の発生を予防するため、インスリンの大量投与、生理食塩液の過剰投与、そして治療初期の血漿張度の低下を避けなければならない。4 呼吸性アルカローシスは、重篤な患者で最も多くみられる酸塩基平衡異常であり、早急な対応が必要な疾患を示唆することがしばしばある。5 酸塩基平衡異常時の体液やその成分の補正では、正確な過不足量の推算は難しいため、頻回な検査で経過をフォローし、投与量を修正していくことが重要である。
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