特集 内科医のためのクリニカル・パール2
腎臓・酸塩基平衡・水電解質
酸塩基平衡・水電解質・輸液のクリニカル・パール
柴垣 有吾
1
1聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科
pp.1644-1649
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106996
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腎不全・糸球体濾過量(GFR)低下時の酸塩基・電解質異常
体液量過剰だけでなく,体液量欠乏にもなりやすい
GFR低下時では体液量過剰になりやすいことは想像しやすいが,実は体液量欠乏にもなりやすい.これは,塩分摂取量が急に低下した場合,尿細管ではNaCl再吸収を増やすことによって,塩分喪失を最小限にとどめているが,腎機能が低下している場合にはこの反応が遅れるため,しばらくそれ以前の塩分摂取量に相当する塩分排泄が続き,塩分喪失が大きくなるためである.これは臨床的には夏の熱中症や冬の感染性腸炎などにより,急激な塩分の摂取量低下や腎外喪失が増える場合に急性腎障害(AKI)を起こしやすいことに繋がる点で重要なポイントである.
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