特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
特殊な心エコー
負荷心エコー
大野 忠明
1
,
本間 博
1
1日本医科大学付属病院循環器内科
pp.240-243
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103076
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負荷心エコーは1970年代頃から基礎研究,臨床試験ともに多数の報告がなされてきた.負荷心エコーの原理は,一般的に虚血カスケードに従う.心筋虚血は心筋灌流の減少,心筋代謝の低下,壁運動異常,心電図変化,自覚症状の順にとらえることができるが,負荷心エコーはこの中間の壁運動異常を判定する方法である.正常の冠動脈であれば,負荷量の増加に伴い,冠動脈血流,心拍数,心筋収縮力が増大する.有意な狭窄があれば,冠動脈血流は増加せず,結果として酸素供給が需要に見合わず虚血が起こる.負荷時の局所壁運動異常の出現は虚血に特異的といわれている.負荷心エコーに興味がある医師のなかには,自分で検査ができるようになりたい,あるいは専門医に検査を依頼したいが,どのような症例を紹介したらよいのか知りたいなど,いろいろな立場の方がおられると思う.①負荷法そのものを理解すること,②患者によってどの負荷法を選択したらよいかを判断できること,③結果を評価できることを明確にし,負荷心エコーを活用していただきたい.日本循環器学会のガイドラインを表11)に示す.
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