特集 虚血性心疾患:日常診療から専門医による治療まで
虚血性心疾患の疫学,病態,検査
心筋虚血を評価する:負荷心電図,負荷心エコー
中尾 倫子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
キーワード:
HR-STループ
,
心筋バイアビリティ
,
スペックルトラッキング
,
心筋梗塞の部位診断
Keyword:
HR-STループ
,
心筋バイアビリティ
,
スペックルトラッキング
,
心筋梗塞の部位診断
pp.479-483
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000221
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Headline
1 負荷心電図による心筋虚血診断能はかならずしも高くないため,閉塞性冠動脈疾患の検査前確率が低い患者に対し,運動誘発性の心筋虚血がないことを確認する目的で,負荷心電図を実施する.
2 負荷心エコーは,運動負荷心エコーと薬物負荷(主にドブタミン)心エコーとがある.ドブタミン負荷心エコーは,心筋虚血評価のみならず,心筋梗塞後症例での心筋バイアビリティの評価が可能である.
3 負荷心エコーによる左室壁運動異常の検出は目視法で行われるが,近年スペックルトラッキング法によって定量的評価ができるようになり,心筋虚血の検出感度が上昇してきている.
4 心筋梗塞はST上昇心電図変化の出現する誘導の組み合わせで,心筋梗塞の部位診断ができる.
5 心筋梗塞発症後の心エコーでは,責任冠動脈の支配領域に従った局所壁運動異常が検出される.心エコーにより,心筋梗塞後の機械的合併症(心室瘤,心室中隔穿孔,乳頭筋断裂,左室自由壁破裂や心膜病変)の有無もベッドサイドで確認できる.
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