増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
心エコー法
撮り方と読み方の基本
負荷心エコー法
杉下 靖郎
1
,
鯵坂 隆一
1
,
飯田 啓治
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.104-110
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901131
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●定義,方法
心機能は種々の因子により成り立ち,そのそれぞれの代償機転により,心機能が全体として維持される.ゆえにその代償機転の状態(予備力)を知るためには,なんらかの負荷を加えて,それに対する反応をみるのがよい.
心エコー図によっては,左室壁の動き(ドップラー法によっては血流速度)をみることにより心機能を知る.左室壁の動きの低下は,左室全体の心筋自体が障害されている場合と,心筋虚血の発生により局所的・一時的に障害される場合とがある.これらの予備力をみるために負荷心エコー図(stress echocardiography)が用いられる.同様の目的で,核医学法(心プールシンチ)も用いられるが,心エコー法の利点は簡便性であろう.表1に負荷心エコー法の長所と短所(限界)をまとめた.
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