連載 Case Study 診断に至る過程・9
優先すべきこと
松村 正巳
1
,
Lawrence M. Tierney Jr.
2
1金沢大学医学部附属病院リウマチ・膠原病内科
2カリフォルニア大学サンフランシスコ校
pp.998-1002
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102757
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病歴&身体所見
29歳,女性
主 訴:発熱
現病歴:生来健康であったが,3週間前から,37~39℃の発熱が毎晩出るようになった.5週間前には,4日間の発熱のエピソードがあり,このときは,同時に子どもも発熱しており,子どもは耳下腺炎と診断されていた.頭痛,咳,関節痛,消化器症状はなく,この3週間で体重が52kgから50 kgに減ったという.
既往歴:特記事項なし.小さい頃,耳下腺炎になったかどうかはわからない.
家族歴:特記事項なし.
嗜 好:たばこは1日10本吸う.アルコールは飲まない.
常用薬はなく,最近の旅行歴,発熱している人との接触歴はない.ペットは飼っていない.主婦である.
身体所見:血圧90/50mmHg,脈拍94/分・整,体温37.8℃,呼吸数18/分.皮疹はなし.比較的元気にみえる.口腔内,咽頭に異常所見なし.右後頸部に2つ,左後頸部に1つ,右側腋窩に2つ,両側鼠径部に2つ,リンパ節を触れる.どれも径が0.5~2.0cmで,軽度の圧痛を認める.周囲との癒着はないが,消しゴムくらいの硬さである.胸部に異常所見なし.腹部で肝臓,脾臓は触れない.神経学的所見に異常はなし.
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