特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液検査
凝固・線溶系検査
プロテインC,プロテインS,APCコファクター2
矢部 麻里子
1
,
池田 康夫
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.114-115
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101743
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
正常な血管内では血液の流動性が保たれ,血栓の形成は障害部位に限局する.これは正常な血管内壁に血液凝固阻止機構が備わっているからであり,プロテインC(PC)凝固制御系と呼ばれるXa因子やトロンビンの生成を阻害する血液凝固制御機構が存在するからである.血管内で生成された微量のトロンビンは血管内皮細胞上のトロンボモジュリン(TM)に結合し,PCを特異的に活性化する.活性化プロテインC(APC)はプロテインS(PS)と第V因子を補酵素として,Va因子およびVIIIa因子を失活させ,凝固反応を阻害する.
一方,APCは内皮細胞や活性化血小板リン脂質膜上でPCインヒビター(PCI)により失活される.
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