増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
血液検査
血栓・止血検査
プロテインC,プロテインS
村田 萌
1
,
小嶋 哲人
1
1名古屋大学大学院医学系研究科病態解析学講座
pp.108-109
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223219
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検査の概要
プロテインC(protein C:PC)とプロテインS(protein S:PS)はいずれも主に肝臓で産生されるビタミンK依存性凝固制御因子である.PCは血管内皮上のトロンボモジュリンに結合したトロンビンにより,活性化PC(activate PC:APC)となる.PSは血漿中では約6割がC4BP(C4b-binding protein)結合型,残りが遊離型として存在する.この遊離型PSがリン脂質とCa2+の存在下で活性化PCの補助因子として働き,凝固第Ⅴa因子と第Ⅷa因子を限定分解することで抗凝固作用を示す.したがって,PCやPSの異常は血栓傾向を呈する.
先天性PC欠損症は血栓性素因として知られ,高頻度に血栓症を発症し,特に若年性の反復する血栓症では先天性PC欠損症を疑う必要がある.したがって,PCの活性値や抗原量の測定は,血栓性素因の診断や治療に重要である.
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