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例 便秘がちで動脈硬化性病変のリスクの少ない65歳女性が,下血を主訴に憩室からの出血疑いで入院した時のプレゼンテーションで
研修医:(現病歴の中で)夜間就寝中,えーっと2時30分ごろだったそうですが,突然便意を催して,1階のトイレに行かれ,最初は普通便が出たそうです.その後,下痢みたいな水が出ていたそうです.次は4時ごろ,時計を見ていたそうですが,座った瞬間にシャーッと水様便が出たそうで,見てみると真っ赤だったそうです.結果的には血液が出てたということだと思います.えーっと,その次は6時をちょっと回った時に…….
指導医:とにかく,突然の便意があって,最初に便が混じった血液を頻回に排泄したんだね.
研修医:えーっと,まとめるとそうです.すみません.
(検査結果まで進んで)血液検査ですが,Hb/Hctが12.3で,36.7でした.アレ,36.9だったような…….
指導医:比較できる以前のHb/Hctはありますか?
研修医:データを確認しようとしたんですけど,コンピュータに取り込まれていなくて,いろいろと聴きにいったんですが…….開業医の先生にも連絡しようかと思ったんですが,かけようとした時に別の用事で呼ばれて…….
指導医:あ,じゃあ比較のデータはないんだね.
研修医:はい,ありません.すみません.
指導医:凝固系は異常なかった?
研修医:凝固系ですか…….えーっと.(パラパラ)やっているとは思うんですけどぉ…….ちょっと待って下さい.(パラパラ)えーっと.PTは97%で,aPTTは35.2秒だった~と(ゴモゴモ).
指導医:じゃぁ,異常ないんだね.
研修医:す,すみません.ありません.(その後,最後までようやく到達し)以上です.
指導医:ハイハイ.これで終わりですね.
研修医:あの……次の症例にいっていいですか?
指導医:まだあるのか……(周りを見ると,数人が眠っている).フゥー.
症例プレゼンテーションは,症例の把握をする部分とそれを伝える部分に分かれます.前回までの話は,情報をいかに集めるか,いかに整理するか,と症例把握=内容の部分を話してきました(一部,それぞれの箇所での伝え方のコツもありましたが).今回は「伝える」ことのコツを全般的に話します.
症例提示のプレゼンテーションに限りませんが,プレゼンテーションをするときのポイントには,内容・声・姿勢・目線・時間が大切になってきます.聴衆を飽きさせることなく,集中力を落とさず,イライラさせることなく,気持ちよく聞いてもらうか,ということを意識しましょう.
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