特集 地域精神保健福祉の歩き方
当事者目線の「理想の心理職」―ピアスタッフの声
彼谷 哲志
1
1特定非営利活動法人あすなろ・主任相談支援専門員
pp.321-325
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp25030321
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I 理想の心理職? それとも当事者目線に立てる心理職?
当事者目線の「理想の心理職」という活字を見て,これを読まれている皆さんはどのような意味を想像したでしょうか?
私の頭に浮かんだのは,精神障害の当事者にとっての理想の心理職という意味でした。たとえば,某生命保険会社が毎年発表している新社会人が選ぶ「理想の上司」のようなもの。2025年春の新社会人に聞いた理想の男性上司の1位はタレントの内村光良さん,2位は大谷翔平さんだったとか。理想の心理職に当てはまりそうな有名人がいるとしたら誰が思い浮かぶでしょうか。
当事者目線の「理想の心理職」という言葉からは,当事者の目線に立って考えられる,当事者の視点に立てる心理職を思い浮かべることもできそうです。心理職が相談者の目線に立つためには,相手の置かれている立場や状況を積極的に想像することが欠かせないように思われて,当事者目線をもって仕事ができる心理職はそれなりの努力の賜物だろうと想像します。

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