連載 とらうべ
同じ目線で
丹羽 洋子
1
1育児文化研究所
pp.469
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900107
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「ねえ,ねえ,お母さん」──小学校6年生の息子が台所に飛び込んでくる。彼はこのところ,買ったばかりの自転車に夢中である。今日はどのようなコースでどんなに遠くまで行ったのか,初めて走ったその辺りがどんなふうであったのか,こちらの忙しさなどおかまいなしにしゃべりまくる。
子育ての面白さは,子供と一緒に,人生をもう一度体験できるということだ。子供が男の子であれば,その面白さはなおのことである。なぜなら,女に生まれた私が自分では経験することのなかった男の子の心の世界にも,子供がいざなってくれるからである。
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