医療事故を防ぐ! 対策を絵に描いた餅としないために(最終回)
医療事故と医学教育について
本村 和久
1
1王子生協病院内科
pp.1768-1770
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101378
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医療事故に関して9回の連載を続けてきた.今回で最終回である.医療事故防止の最も効果的な手段は教育と考えている.医療事故と医学教育について述べたい
医療事故の多様性,不確実性
医療事故に関する情報は驚くほど多い.原因分析もいろいろな方法でなされている.原因としては,医師個人の資質に問題がある,医学的に問題がある,コミュニケーションに問題がある,組織として事故対策に取り組んでいない,対策を取る人的・時間的余裕がないなど,多様である.個人の問題から組織の問題まで,技術的な問題から資源の問題まで,その問題の範囲は広い.その問題の範囲の広さゆえ,医療事故からみえることは,多岐にわたる.また,当たり前のことだが,いつ,どんな事故が起こるか,予測することはきわめて困難であり,不確実性の高い問題でもある.
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