今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈腎(非腫瘤性)〉
多発性囊胞腎
大杉 圭
1
,
大熊 潔
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.248
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100957
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polycystic diseaseとは両側の腎に囊胞が多発する疾患で,常染色体劣性遺伝であるautosomal recessive polycystic kidney disease(ARPKD),と常染色体優性遺伝であるautosomal dominant polycystic kidney disease(ADPKD),acquired cystic disease of kidney (ACDK),von Hippel-Lindau病,結節性硬化症によるものなどが考えられる.
ARPKDは,多くは出産直後より発症し,周産期に死亡することが多い.肝線維症を伴う.病理学的にはネフロンや集合管の拡張による小囊胞が特徴である.超音波上,微小囊胞が多発するため実質エコーレベルが上昇して見える(図1).この中に比較的大きな囊胞が認められると,pepper and salt appearanceないしはstripped appearanceを呈する.
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