Japanese
English
綜説
多発性囊胞腎はどういう病気か
Polycystic kidney disease
堀江 重郎
1
Shigeo Horie
1
1帝京大学医学部泌尿器科
1Department of Urology,Teikyo University School of Medicine
キーワード:
PKD1
,
polycystin
,
PPARγ
Keyword:
PKD1
,
polycystin
,
PPARγ
pp.647-655
発行日 2004年8月20日
Published Date 2004/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100587
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要旨
多発性囊胞腎は,疾患責任遺伝子PKD1, PKD2が同定され,病態についての理解が進んできた。囊胞形成には尿細管細胞の脱分化,炎症,血管新生,アポトーシスが関わっていることが明らかになり,いわば良性腫瘍と見なすべき疾患と考えられる。また血管平滑筋にも病変が生じ多発性囊胞腎患者に多い高血圧の原因となっている可能性がある。われわれはPkd1遺伝子欠損マウスを作成しその表現型と分子異常を明らかにし,チアゾリン系薬剤PPARγアゴニストが腎囊胞形成の分子異常をin vivoで改善することを見いだした。PPARγアゴニストは,現在腎不全進行に対して治療法のないADPKDの治療薬となる可能性が期待される。
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