「デキル!」と言わせるコンサルテーション 第9回
デキレジのコンサルテーション②循環器系
前原 晶子
1
1虎の門病院循環器センター内科
pp.1666-1669
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100290
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急患室でのコンサルテーションの一場面
(急患外来当番の研修医から仮眠中の循環器専門医にコールがあった)
●研修医:「夜分遅くにすみません.患者さんは陳旧性心筋梗塞で当院循環器科に通院中の方です.昨日,夕飯後から呼吸困難が出現し,横になって眠れないということで,歩いてこられたのですが……」
■専門医:「すぐ行く!」
(急患室で,患者さんは仰臥位で横たわり,頻呼吸の状態である)
■専門医:「ベッドアップして,酸素を増やして! すぐCCUに運びます」
▲看護師:「先生,血圧が200です」
●研修医:「胸部X線と動脈血ガスは採りましたが,まだ結果はきていません」
■専門医:「顔をみて聴診すれば,心不全の急激な悪化は明らかでしょう? いつ患者さんは来られたの?」
●研修医:「30分ほど前です.横になっての安静を指示したら,だんだん苦しそうになって……」
循環器は時間との戦い
高血圧が引き金になって悪化する心不全は「Flash edema」と呼ばれ,急激に進行します.外来に歩いてきたのに,仰臥位になった途端苦しくなって,さらに血圧があがり(後負荷が強くなり),肺うっ血が強くなり,悪循環に陥り,挿管になることもあります.初期治療が大変重要です.循環器疾患はemergencyが多く,最初の判断を誤れば手遅れになることもあります.重篤そうな気配を感じたら,まず電話でコンサルテーションしましょう.あなたが“デキ・レジ”でも“ダメ・レジ”でも「この患者さん悪そう.」を直感してください.わからなければ誰かを呼びなさい.まず,循環器は時間との戦い,です.
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