連載 臨床倫理コンサルテーション・7
臨床倫理コンサルテーションの方法(3)―分析・検討②
瀧本 禎之
1,2
1東京大学医学部附属病院 患者相談・臨床倫理センター
2東京大学医学部附属病院 心療内科
pp.874-876
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102139
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前回紹介したJosnenらの四分割表は,ケースアプローチによる分析・検討を行う際に簡潔で使用しやすい特徴がある.しかし,項目が簡潔すぎるために,1つの項目(欄)にたくさんの情報が入り過ぎて,分析から検討に移る際に見づらかったり,必要な情報が漏れてしまったりする欠点も存在する.分析・検討に慣れた者にとって,自由度が高いことは価値があるが,手続き的正義の観点から漏れなく情報を集め分析・検討することを重視するなら,必ず検討が必要な項目を独立させることで,漏れを生じにくくするほうが実践的である.そこで筆者らは,倫理的検討を行う場合に,必須となるいくつかの項目を独立させ,一連のケース・コンサルテーションの流れに沿うような形でオリジナルのシートを作成した(表).
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.