特集 水銀汚染—水俣病よりグローバルな環境問題へ
ブラジル・アマゾン水域の採金による水銀汚染調査
原田 正純
1
,
中西 準子
2
,
小沼 晋
2
,
大野 浩一
2
,
赤木 洋勝
3
1熊本大学医学部遺伝発生研究所
2東京大学環境安全研究センター
3国立水俣病研究センター
pp.307-311
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901254
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はじめに
全長6,749km,1,100の支流をもつアマゾン川の360万km2という広大な水域(アマゾニア)の水銀汚染といわれてもなかなか実感がわかなかった1).河口の幅は320km,最も流量少ない時期で1日4億トン(わが国のすべての用途の水使用量が1日2.5億トン)といわれるから,仮に水銀で汚染されても希釈されて生態系にはほとんど影響がないのではないかと考えていた.しかし,今までの局所的・部分的調査によってみても事態はあまり楽観的にみておれないようである1〜3).
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